予防歯科のススメ 健康寿命を考える
お口の中から健康寿命を考えてみる。最新のニュースで『健康寿命』についての話題が取り上げられたことを、テレビやインターネット、新聞などでご覧になった方も多くいらっしゃると思います。健康寿命とは、『日常的、継続的な医療や介護を必要とせず、自立した生活がおくれる生存期間』のことで、2000年にWHO(世界保健機構)が提唱しました。平均寿命は寿命の長さを表しますが、健康寿命は介護を受けたり、寝たきりになったりすることはなく、心身ともに自立できる期間の長さを表しています。昔から『自分の歯でしっかり噛める人は健康的』と言われるように、お口の健康は体の健康と密接な関わりがあります。また近年は、要介護の原因となる脳卒中やアルツハイマー病などの疾患が、歯周病によって引き起こされてれることも様々な研究を通じて明らかになっています。そこでお口の健康と健康寿命にはどのような関連があるのか、みていきましょう。 男性では8年間、女性では12年間介護や医療が必要となる 厚生労働省が先日公表した資料によると、2016年に日本人の健康寿命は、男性で72.14歳 女性では74.79歳となっています。 一方2016年の平均寿命との差を見てみると、男性で8.84年女性で12.35年の開きがあることが分かります。つまり男性では8年ほど、女性では12年ほどは、介護や医療の手助けが必要となる時期があるということです。 寿命に占める健康寿命の期間が長いほど寿命の質が高いと言えます。平均寿命がますます伸びると予測される近年において、健康寿命をいかに伸ばしていくかが今後の課題といえます。要介護になる原因は歯科疾患との関わりも深い それでは次に、どのような事が原因で介護が必要になるのか みていきましょう。介護が必要となる原因で最も多いのは『脳卒中(脳血管疾患)』で次いで『認知症』『高齢による衰弱』『関節疾患』『骨折、転倒』となっています。つまり歯科疾患と深い関わりがあります。つまり歯の健康と健康寿命には切っても切れない関係にあるという事です。具体的には、次回詳しく説明します。