'よく噛むことが'健康に与える影響
「よく噛む」習慣と健康の関係とは
食事のときによく噛むことは、食べ物を飲み込みやすくなるだけでなく、さまざまな効果があります。「噛む」という動作は一見単純なようでいて、顔の筋肉の動きやお口の中の感覚をはじめ、全身の機能も刺激します。今回はよく噛むことで得られるメリットをご紹介していきましょう。
よく噛むことには効果がたくさん!
・肥満予防
噛む回数が多くなると満腹感を得られやすくなり、食後のエネルギー消費量を増やします。日本肥満学会では「咀嚼法(そしゃくほう)」として行動療法の一つに挙げられています。
・味覚の発達
食べ物の味成分は噛むと外部に放出され、舌の味覚センサーによりさまざまな味として感じることができます。よく噛むほど味を感じやすくなり、味覚の発達につながります。食べ物をおいしく感じることや、さまざまな味を感じることで幸福感が高まり、ストレス解消につながるとされます。
・言葉の発音がはっきりする
お口は食べるほかにも「話す」という重要な機能があります。よく噛むことで言葉の発音に欠かせない舌や顔の筋肉が鍛えられ、あごの骨の発達もうながします。
・脳の働きを活発にする
噛む刺激が脳に伝わり、脳の働きを活発にさせるといわれています。特に記憶などの学習能力向上に関係する「海馬」という部位への作用が明らかになっています。
・歯の病気を予防する
食べ物を噛むと「天然のクリーニング剤」とも呼ばれる唾液の分泌が盛んになります。お口にたまった汚れを流れ落とす作用や、歯を修復する「再石灰化」をうながす働きがあります。
・胃腸のはたらきを助ける
噛むことの大きな目的は「食べ物の消化」です。噛むことで分泌された唾液には、消化酵素が含まれていて、最初の消化がお口の中でおこなわれます。続いて送られる消化器官の運動をうながす作用も担っています。
・全身の体力アップに効果
重いものを持ち上げるときなど、人は自然と歯を噛みしめます。これは体の運動機能が高められるためで、噛みしめることで5%ほど筋力が上昇するといわれています。
「噛む回数」はどれくらい?
よく耳にする「1口30回」という目安がある一方で、欧米型の軟らかい食事が中心となる近代では、硬い食べ物を積極的に食事へ取り入れるよう心がけ、噛む回数を増やしましょう。軟らかい食品でも可能な限り10回以上を意識してくださいね。
よく噛むためには健康な歯が不可欠
噛むことが歯の健康につながるとはいえ、それだけで歯周病を予防できるわけではありません。むし歯や歯周病の原因となる細菌の塊(プラーク)をしっかり取り除き、お口の中を清潔に保つことが基本となります。
歯医者でむし歯や歯周病になっていないか、専門的なクリーニングを受けたり、噛み合わせに問題がないか定期的にチェックしたりすることも大切ですね。
「よく噛むこと」に欠かせない歯の健康については早良区のおおたデンタルクリニックへお気軽にご相談ください。