うまく噛めない、飲み込めない…「嚥下障害」のリスクと予防

うまく噛めない、飲み込めない…「嚥下障害」のリスクと予防

うまく噛めない、飲み込めない…「嚥下障害」のリスクと予防

年齢を重ね、「食が細くなった」「思いきり食べられない」と感じる方は少なくありません。実際、加齢により食事に対して不安があるというご相談も多く、その要因の1つとして「嚥下障害」が挙げられます。今回は、「嚥下障害」について詳しく説明します。

「嚥下障害」が食べる事に与える影響

食べるという動作は「嚥下」という作業の繰り返しです。口に入れた食べ物は、「噛む」ことで食塊(しょっかい)という塊をつくり、「飲み込む」ことで喉から食道を通って胃に運ばれますが、嚥下を行う体の器官に不具合が生じると「嚥下障害」を引き起こします。「食事のときにむせる」「食べられる量が減った」といった症状にも注意しましょう。

もしかして「嚥下障害」かも?9つの症状をセルフチェック

東京福祉保健局が作成した「嚥下障害のセルフチェック表」をもとに、ご自身の症状を確認してみましょう。1つでも当てはまるならば、歯科か耳鼻科の専門医の受診をおすすめします。

  1. 1 食事中によくむせる
  2. 2 唾液が口の中にたまりやすい/よだれがでる
  3. 3 以前は問題なかったのに、飲み込むのに苦労するようになった
  4. 4 硬い食べ物が嚙みにくくなった
  5. 5 舌に白い苔のようなものがついている
  6. 6 声が変わった(ガラガラ声)
  7. 7 食後しばらくして、咳がでる
  8. 8 食事を残すことが多い/食べる量が減った
  9. 9 体重が減った(ここ1ヶ月で5%以上、半年で10%以上)

 

「嚥下障害」のはじまりとリスク

嚥下障害は、前触れなく突然起こる病気ではありません。他の病気が原因でなければ、噛む機能(咀嚼)の衰えが嚥下障害のはじまりと考えられています。軟らかい食品を好むようになったなど、ちょっとした日常の変化を「年のせいだから」という思い込みで放置していると、体重の減少や低栄養、脱水、または誤嚥性肺炎や窒息など命に係わる事態を引き起こすので注意が必要です。

「嚥下障害」の予防には定期的な歯科検診を

「食べる」という行為は「噛む」と「飲み込む」がセットになってはじめて実現する行為です。むし歯や歯周病で歯を失ってしっかり噛めなくなると、飲み込む機能さえも低下してしまうのです。「嚥下障害」の予防には、まずはしっかりと噛める歯をキープすることがポイントになります。定期的な検診で歯とお口の健康をチェックし、年齢を重ねても美味しく食事ができる日常をキープしましょう。

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